
こんにちは。オーストラリアへの留学やワーキングホリデー、長期旅行を考えているあなたにとって、「銀行」「銀行口座開設」は少しハードルに感じるかもしれません。
でも安心してください。オーストラリアには、私たち日本人旅行者・留学生でもちゃんと口座を持てる仕組みがあります。
この記事では、オーストラリアでの「銀行口座開設」の手順と、「どの銀行を選ぶか」「銀行ごとの違い」「注意すべきポイント」まで、わかりやすく丁寧に解説します。
オーストラリアの銀行事情と主要プレーヤー

オーストラリアで「銀行口座を作る/使う」前に、まず銀行業界の仕組みと選択肢を知っておくと安心です。
留学や旅行で向かう20〜40代のあなたにとって、銀行選びが「安心・便利・コスト低め」のキーになります。
オーストラリアの銀行制度の特徴
・オーストラリアの銀行は「認可預金取扱機関(Authorized Deposit-taking Institutions, ADI)」という制度のもと運営されています。
・銀行ごとに「BSB(Bank State Branch)コード+口座番号」で国内振込・決済が行われます。
・多くの銀行がモバイル・インターネットバンキングを強化しており、スマホで残高確認・支払い・送金が可能です。例えば Commonwealth Bank(以下CommBank)のサイトでも「Digital Banking – どこでも管理出来る」と案内があります。
・預金保護制度(Australian Government Financial Claims Scheme)により、預金者は一定金額まで保護されます。ここが「安心して預けられる」大きなポイントです。
知っておきたい「大手4銀行(Big Four)」とその他銀行
・オーストラリアでよく知られた銀行には、以下が挙げられます:
- Commonwealth Bank(CommBank)(commbank.com.au)
- Westpac Banking Corporation(Westpac) (westpac.com.au)
- Australia and New Zealand Banking Group(ANZ) (ANZ)
- National Australia Bank(NAB) (nab.com.au)
・これら「Big Four」は支店数・ATM網・オンラインサービスとも充実しています。留学・滞在者にとって「安心して使える」選択肢になりやすいです。
・ただし、近年では支店をあまり持たず「オンライン専業銀行(ダイレクトバンク)」や信用組合・顧客所有型銀行(カスタマーオウンド)も注目されています。例えば ING Australia が挙げられます。
・旅行者・留学生にとっては「支店が近い」「スマホ操作が簡単」「英語対応が安心」といった観点も選び方に入ります。
銀行ごとの違い・選び方の視点
口座を選ぶ際に重視したい点を整理します:
- 月額維持手数料/無料条件があるか
- ATM(現金引き出し)手数料や海外送金手数料の水準
- モバイル/オンラインバンキングの使いやすさ(アプリ/英語)
- 支店・ATMの数(都市部・地方、滞在先に近いか)
- 留学生・短期滞在者向けの条件(学生割引・非居住者対応)
例えば、CommBankでは「引っ越してきた方向け」プログラムもあります。
銀行ごとに強み・特徴があるので、自分(滞在期間・利用スタイル・予算)に合った銀行を選ぶことが重要です。
銀行比較:学生・留学者向け口座(主要4行)
| 銀行名 | 月額口座維持手数料/条件 | 主な特徴・補足 |
|---|---|---|
| Commonwealth Bank (CommBank) | ・「学生オプション」「Under 30」等の条件で**$0/月**。 (commbank.com.au) ・条件を満たさないと「$4/月」などの月額料金の案内あり。 (commbank.com.au) | ・来豪14日前~12ヶ月以内でオンライン申込み可。 (commbank.com.au) ・大手最大手の銀行、支店・ATMが多く安心。 ・ただし、国際送金・海外ATM引出しで別途手数料が発生するケースあり。 (Wise) |
| Westpac | ・「学生/Under 30」条件で**$0/月**。 (westpac.com.au) | ・主要ATM網あり。 ・海外取引・海外ATM利用時の手数料を別途チェック要。 (Wise) |
| ANZ | ・標準口座で月額サービス料 “$5/月” と記載あり。 (ANZ) ・ただし「フルタイム学生」「若年層(Under 25等)」であればこの“$5”が免除になる条件あり。 (ANZ) | ・学生・若年層向けの“手数料免除”条件あり。 ・海外送金・ATM海外引出しコストに注意。 |
| NAB | ・「NAB Classic Banking (学生・留学生向け)」で**$0/月**と明記。 (nab.com.au) | ・月額維持手数料なしというシンプルな条件。 ・ただし海外取引・海外ATM引出し時の別手数料・為替マージンは存在。 (Wise) |
預金保護制度と信頼性(重要な安心ポイント)
- オーストラリア政府の「Financial Claims Scheme」によって、認可銀行に預けた預金は一定額まで保証されます。
- 具体的には、銀行が倒産しても、預金者に対して一定の保護が行われる制度です(=安心材料)。
- また「BSBコード」の仕組みも国内送金で標準的に使われており、制度的に整理されている点もポイントです。
以上を踏ま、「安心して銀行を選び、口座をつくる」という土台をまず押さえておきましょう。
口座開設の基本ステップと必要書類

次に、実際に「銀行口座」を開くための基本ステップと、必要となる書類・条件を整理します。
留学・旅行・ワーホリでオーストラリアに向かうあなたならではの視点も盛り込みます。
誰が口座を持てるか(留学生・旅行者・滞在者)
- 原則として、オーストラリア滞在者(学生ビザ・ワーホリ・就労ビザなど)だけでなく、短期旅行者でも条件付きで口座を持てる銀行もあります。例えば留学生向けチェックリストに、「到着日スタンプ付きパスポート」「学生ID」などが挙げられています。
- ただし、「非居住者」「観光ビザのみ」の場合、使える口座やサービスに制限があることも。滞在目的・滞在期間によって銀行を選ぶべきです。
- 年齢制限もあります。例えば多くの銀行では18歳以上で成人口座として開設できます(学生口座・ユース口座は16歳以上等別条件)。
口座開設のオンライン vs 店舗のどちら?
- 多くの銀行で「オンライン申請」が可能になってきています。例えば National Australia Bank(NAB)は「10分以内にオンライン申込み可能」と案内しています。
- ただし、外国からの申請・滞在前申請からの支店訪問など、条件付きケースも。例えば Commonwealth Bank(CommBank)では「渡航予定14日以内」「来豪後12ヶ月以内」の条件でオンライン申請可、ただし支店での本人確認が必要。
- 店舗で直接行うメリットとして、英語スタッフと対面で確認できる安心感、住所証明の提示や不明点質問ができる点があります。特に初めて海外で銀行を使うなら、店舗訪問も視野に入れましょう。
必要書類のチェックリスト(パスポート・ビザ・住所など)
以下が典型的な必要書類です(銀行・条件によって若干異なります):
- パスポート(外国人の場合:有効な旅券)
- ビザまたは滞在許可証の証明(学生ビザ・ワーキングホリデービザなど)
- オーストラリア国内住所の証明(滞在先住所、ホテル/シェアハウスでも一部可)
- 税務識別番号(Tax Identification Number, TIN)または居住国の納税番号。銀行によって求められます。
- 年齢証明(18歳以上等)・場合によって学生証など。
口座開設後にすること(カード受取り・アプリ設定など)
口座を開設したら、次のステップです:
- デビットカードまたはキャッシュカードの受取り(郵送や店舗受取)
- オンラインバンキング/モバイルアプリの登録・ログイン設定
- 口座番号(BSB+口座番号)を確認して、給料・仕送り・送金先として使えるように設定
- ATM/オーストラリア内での引き出し・支払い・モバイルペイ(Apple Pay/Google Pay)などを有効化
- 初期入金(少額でも)を行い、運用開始
これらを事前に把握しておくと「口座開設したけど使えない…」という事態を防げます。
銀行口座開設の実務:手順とタイミング

ここでは、実務的に「いつ・どうやって」口座を開けるか、そして開設後の取引やコストなども含めて解説します。
渡航前に準備できること・渡航後すぐやること
- 渡航前:主要銀行の公式サイトで「海外からでも口座申請可能か」を確認。例えばCommBankは「到着予定14日以内・到着後12ヶ月以内」のオンライン申請可。
- 住所が未定の場合には「仮住所(ホテル・シェアハウス)」登録が可能か確認。多くの銀行は「暫定住所」を受け入れています。
- 渡航後すぐ:入国してから支店での本人確認、カード受取、初期入金を行う。学生の場合は大学・語学学校からの紹介資料を持っておくとスムーズです。
開設時の費用・手数料・維持条件
- 多くの銀行では「口座開設手数料」が無料のケースが多いですが、月額維持費・最小残高条件・引き出し手数料などを確認してください。
- 「学生/留学生口座」や「新規移住者向けキャンペーン口座」で維持費無料・手数料軽減というプランもあります。
- 為替手数料・海外送金時のコストも、口座を海外で使うあなたにとって重要です(後述)。
- 口座を長期間使わなかったり、残高が少ないまま放置していると「休眠口座」扱いになる可能性もあるので、開設後は定期的にアクセスすることをおすすめします。
開設後の取引(入金・送金・ATM)で知っておくべきこと
- オーストラリア国内での銀行振込は「BSB+口座番号」で行われます。
- ATMで現金を引き出す際、国内銀行提携ATM・支店ATM・海外ATMのそれぞれで手数料が異なります。口座を作った銀行の「海外ATM利用」条件を確認しましょう。
- 国際送金を日本から行う場合、銀行の送金手数料+為替レートマージンがかかるため、安価なサービス(例:Wise)の併用を検討する価値があります。 (Wise)
- モバイルバンキングのアプリを通じて、残高通知・支払い履歴確認・カードロック等ができるのが一般的。特に海外で使う際は「スマホで管理できるか」が安心ポイントです。
銀行口座を日本から使いたい場合の代替案・比較
- 渡航前から口座を用意したい、または日本の銀行口座をオーストラリアでも使いたいという場合、「国際銀行」や「マルチカレンシー口座」「オンライン送金サービス」の活用も検討できます。例えばWiseでは、オーストラリアでの銀行口座を使うような感覚で海外送金・受取が可能とされています。 (Wise)
- ただし、日本の銀行をそのまま使って「毎日オーストラリアで支払い・引き出し」というのは手数料・為替コスト・支払い拒否リスクという観点で割高・リスクあり。現地銀行口座を補助的に持つのがベストです。
- まとめると、主要な選択肢は:
- オーストラリアの銀行で普通口座を開く
- 日本/海外のマルチカレンシー口座と併用する
- 海外送金/両替コストを意識し、使い分ける
銀行口座の活用法と留学・滞在者ならではのポイント

口座を開いただけで満足せず、「いかに活用するか」で滞在中の生活品質も変わります。ここでは、留学生・旅行者・滞在者としての使い方に焦点を当てます。
給料・奨学金・仕送りを受け取る場合の口座選び
- 例えばアルバイトや学生として給料をもらう場合、銀行口座は“受け取り先”として指定されることが多いです。
- 口座の「ATM手数料無料」「月額維持費無料」「支店・ATMが滞在先近くにある」などが重要。
- 奨学金・仕送りを日本から受け取る場合、国際振込または日本の銀行からの送金先として使える口座であることを確認しましょう。口座番号(BSB+口座番号)を英語表記で家族に伝えておくと安心です。
- また、現地での支払い(家賃・交通・食費・携帯料金など)をスムーズにするため、「デビットカード支払い」「モバイルウォレット(Apple Pay/Google Pay)」対応銀行を選ぶと便利です。
国際送金・為替・両替のコストを抑える方法
- 留学・滞在中は「日本円⇔オーストラリアドル(AUD)」の為替・送金手数料が意外と負担になります。銀行間送金は手数料・為替マージンが高めになることが。
- 代替としてオンライン送金サービス(Wiseなど)を使って「低コストで送金・受取」し、現地銀行口座に資金を移す戦略も有効です。 (Wise)
- 両替時は「出発前に日本で少し準備する」「現地で必要な分だけ引き出す」「複数回に分けて両替する」など、為替リスクを軽減する工夫を。
- また、現地ATMで「引き出し手数料無料・為替手数料低め」の銀行口座を選んでおくと、滞在中のコストが下がります。
預金・貯金・投資へのステップ・口座の活かし方
- 滞在中でも「貯金をしておきたい」「少しでも利息を得たい」という場合、普通取引口座だけでなく「貯蓄口座(Savings)」や定期預金(Term Deposit)などの選択肢もチェックできます。例えばANZでは「Everydayアカウント+Savingsリンク」等のプランがあります。 (ANZ)
- 留学生・旅行者の多くは「すぐ使える口座」を優先しがちですが、もし滞在期間が長めなら「口座を分けて管理」「目的別に口座を使い分ける」こともおすすめです。
- オーストラリア国内では「預金・貯金」の次のステップとして、「クレジットカード」・「クレジットヒストリー構築」も将来役立ちます。留学後オーストラリアで就職・居留を目指すなら、銀行口座はその第一歩です。
他サービスとの連携(モバイルバンキング・カード・Payなど)
- 銀行アプリで残高通知・取引履歴・振込手続きなどがスマホでできると、外出先・旅行先・シェアハウスからでも安心です。CommBankの「どこでも管理できるデジタルバンキング」案内が典型的です。 (commbank.com.au)
- デビットカードやキャッシュカードを受け取ったら、Apple Pay/Google Payに登録できるか、海外利用手数料・ATM引き出し手数料を確認しましょう。
- また、引き落とし/公共料金支払い/携帯料金支払いなどを口座から直接行えるように設定しておくと、滞在中の管理が楽になります。
- さらに、銀行口座とスマホウォレットを連携しておくことで、国際旅行時・オーストラリア国内移動時にもスムーズに支払いができます。
注意事項5選:開設前に絶対知っておきたいこと

オーストラリアで銀行口座を開設・利用する際、「何も考えずに開いたら後からコスト高になった」「住所証明できずに口座が使えない」「税務申告で慌てた」という話は少なくありません。
ここでは、こうした“落とし穴”を未然に回避するために、知っておくべき5つの注意点をまとめます。
しっかりチェックしておきましょう。
住所・居住証明のハードル
オーストラリアの銀行では「オーストラリア国内住所の証明」が口座開設の条件となる場合が多いです。
例えば、銀行によっては「公共料金の請求書」「賃貸契約書」「滞在先ホテル・シェアハウスの住所証明」などが求められます。
滞在先が決まっていない、またはホテル滞在が長めという場合、住所証明がネックになって口座開設が遅れることがあります。
対策として、シェアハウス契約書を早めに確保したり、銀行に「仮住所でも受け付け可能か」事前確認しておくのが賢明です。
ビザ・滞在資格による影響
銀行口座開設には、滞在資格(学生ビザ、ワーキングホリデービザ、観光ビザ等)によって対応が異なる場合があります。
例えば、ビザが「観光」だけの場合、口座サービスが制限されることが可能性があります。
また、銀行が「滞在予定14日以内」「来豪後12ヶ月以内」という条件を設けていることもあります。
よって、渡航前に自分のビザ・滞在目的を整理し、銀行側へ「自分のステータスで口座開設可能か」を確認した上で申込を進めることがトラブル回避につながります。
手数料・為替コスト・隠れた費用
「銀行口座を持っているだけで安心」と思っていても、実際には維持費・引き出し手数料・海外ATM利用料・為替マージンなどが滞在中に意外と重くのしかかることがあります。
例えば、海外送金を日本⇔オーストラリア間で行うとき、通常の銀行手数料だけでなく、為替スプレッド(銀行が実際に為替取引時に取る差額)がコスト増になります。
オンライン送金サービスなど代替案も含めて“コスト低め”で使える口座を選んでおきましょう。
また、月額維持費が無料になる条件(学生/給料口座・最低残高)を確認しておかないと、気付けば毎月費用が発生していた…というケースもあります。
税務・報告義務
オーストラリアで口座を持つということは、税務面にも影響があります。
例えば、オーストラリア居住者になった場合は世界所得をオーストラリアで申告義務が生じる場合があります。
また、日本の居住者として日本の銀行口座と併用している場合、日本の税務上の報告義務(国外口座・国外資産)を確認しておくと安心です。特に、口座残高や送金額が一定額を超えると報告対象になるケースもあります。
口座凍結・解約・使えなくなるケース
口座を開設しても、長期間使用していなかったり、住所変更/ビザ更新を銀行に通知しなかったりすると「休眠口座」「住所確認不足」としてアクセス制限・凍結されるケースがあります。
オーストラリア滞在中だけでなく、帰国後も口座を維持するかどうかをあらかじめ銀行に確認しておきましょう。
また、銀行が非居住者向け条件を変更して「口座維持不可」となる可能性もありますので、解約・整理も見据えておくと安心です。
まとめ
オーストラリアで銀行口座を持つことは、留学・ワーキングホリデー・長期旅行という場面で「日常の支払い」「給料受取り」「送金」「貯金」などをスムーズにする大きな助けになります。
この記事では、「オーストラリア 銀行」「銀行口座開設」というキーワードのもと、銀行制度の特徴、主要銀行の選び方、口座開設のステップ、活用法、そして注意すべきポイントまでを整理しました。
まずは信頼できる銀行(例えばBig Fourのいずれか)を選び、滞在目的・期間・手数料構造をよく確認して口座を開設しましょう。
次に、住所・ビザ・税務などの条件をクリアにして、到着前・到着後のチェックポイントを押さえることが大切です。
さらに、両替・国際送金・モバイル決済といった利用シーンを想定して、「使いやすさ/コスト低め/安心感」の三点を満たす口座選びを目指してください。
最後に、注意事項を押さえておくことで、口座開設後に「思ったより手数料が高かった」「住所がないと使えなかった」「帰国後に整理が大変だった」といった事態を避けることができます。
オーストラリア滞在をさらに快適にするため、銀行口座は“前もって設計”しておくのがベストです。
おわりに
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
オーストラリアで銀行口座を持つことは、単なる手続き以上に「滞在を安心・快適にするインフラ」です。
語学学校・シェアハウス・アルバイト・旅行先――どこでも「お金がスムーズに動く」安心は、気持ちにも余裕を生みます。
もちろん「オーストラリア 銀行」「銀行口座開設」というキーワードで探すと情報は多いですが、“あなた自身の滞在スタイル”に合った銀行・口座を選ぶことが重要です。
今回まとめたステップとチェックリストを活用して、ぜひ余裕をもって準備を進めてください。
もし「この銀行はどう?」「この手数料って高い?」「学生用と一般口座どちらがいい?」といった具体の疑問が出てきたら、お気軽にご相談ください。
あなたのオーストラリア滞在が、銀行口座ひとつでさらに快適になりますように。



