一度は乗りたい!オーストラリア鉄道旅おすすめ路線3選|絶景と冒険を味わう贅沢体験

旅行/観光
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オーストラリアで「鉄道旅」と聞くと、広大な大地をゆっくり進むロマンあふれる旅を想像しませんか?
実はオーストラリアには、世界的に有名な豪華列車から、ワイルドな内陸部を横断する冒険ルートまで、旅好きの心をくすぐる鉄道がたくさんあります。移動手段というより“旅そのもの”を楽しむのが鉄道旅の最大の魅力。
景色を眺めながら過ごす時間は、飛行機や車では味わえない特別な体験です。

この記事では、オーストラリア鉄道旅の中でも「これは絶対に乗ってほしい!」という人気路線を厳選して3つ紹介します。
初めての人でも分かりやすく、料金・見どころ・所要時間などもまとめて解説。あなたの旅にぴったりの1本がきっと見つかりますよ。

オーストラリア鉄道旅の魅力とは?飛行機では味わえない“ゆったり贅沢体験”

オーストラリア鉄道旅の魅力をひと言でまとめるなら、「移動時間が、そのまま旅のメインイベントになる」という贅沢さ。飛行機の“早さ”とも、車の“自由さ”とも違う、第三の楽しみ方がここにあります。大陸を貫く線路の上を、ゆっくり、静かに、時にドラマチックに走り抜けていく体験は、多くの旅行者を虜にしています。

車窓に広がる壮大なスケール感は鉄道旅ならでは

オーストラリアは、都市を一歩出ると一気に「地球の大きさ」を感じる大地が広がります。
鉄道に揺られているだけで、こんな景色が次々と現れます。

  • 赤土がどこまでも続く“レッドセンター”
  • 緑が深い牧草地帯
  • カンガルーが跳ねていく平原
  • 地平線に沈む大きな夕日
  • 夜には満天の星空

飛行機では味わえない「景色がつながり続ける旅」ができるのは、鉄道ならでは。まるでオーストラリアの地図の上をなぞるように、風景の変化をダイナミックに楽しめます。

移動しながらホテル級のおもてなしを受けられる

オーストラリアの長距離鉄道は、ただの公共交通ではありません。
“移動するラグジュアリーホテル”と評されるほど快適なサービスがそろっています。

  • ベッド付きの個室キャビン
  • シャワー利用ができる寝台クラス
  • ワイン&コース料理が提供されるダイニングカー
  • 車内ラウンジで語らう優雅な時間

飛行機で数時間で飛び越えてしまう距離を、あえて数日かけて走り抜ける。その過程こそが贅沢で、旅人の心をつかむ理由です。

路線ごとに“旅のテーマ”が違うから何度でも楽しめる

オーストラリア鉄道旅が面白いのは、ルートがとにかく個性的なこと。

  • ザ・ガン:大陸を縦断し、内陸のスピリットを感じる旅
  • インディアン・パシフィック:東西を横断する壮大な“冒険ルート”
  • グレート・サザン:海・ワイン・自然を楽しむ季節限定トレイン

どの路線も「この鉄道でしか見られない世界」が広がっていて、テーマ性の強い旅ができるのが特徴です。鉄道ファンはもちろん、写真旅、自然好き、ゆったり旅派の人まで“刺さるポイント”がそれぞれ違うので、リピーターも多いんです。

初めての人でも安心して楽しめる“旅のしやすさ”も魅力

長距離鉄道というとハードルが高いイメージがありますが、実際は初心者でもとても利用しやすいです。

  • 予約はWebから簡単
  • 駅スタッフが丁寧に案内
  • 荷物の預け入れもOK
  • 車内ではWi-Fiや電源も利用しやすい(一部路線)

“鉄道に乗るだけで、旅が完成する”ーーそんな手軽さも、オーストラリア鉄道旅の魅力です。

ザ・ガン(The Ghan)|アデレード〜ダーウィンを貫く“赤い大地の縦断ルート”

オーストラリア鉄道旅の代名詞といえば、やっぱり ザ・ガン(The Ghan)
アデレードからダーウィンまで大陸をまっすぐ縦断するこのルートは、鉄道ファンだけでなく、自然好き・写真好きの旅行者にも絶大な人気を誇ります。果てしない赤い大地、レッドセンターの荒野、アボリジナル文化の気配を感じる場所をゆっくり進む時間は、まさに“オーストラリアの真ん中を体感する旅”。飛行機ではほんの2〜3時間で通り過ぎてしまう距離を、あえて 3日間かけて味わい尽くすーーこれこそがザ・ガンの醍醐味です。

ザ・ガンの基本情報|運行区間・所要時間・料金目安

ザ・ガンは 南オーストラリア州アデレード → ノーザンテリトリーのダーウィン を結ぶ約 2,979km の壮大なルートを走ります。
主な基本情報は以下のとおりです。

  • 所要時間:通常 3日2泊
  • 運行区間:アデレード ⇆ アリススプリングス ⇆ キャサリン ⇆ ダーウィン
  • 料金の目安
     ・ゴールドクラス(寝台):約 2,500〜3,500AUD
     ・プラチナクラス:5,000AUD〜(時期により変動)

宿泊費・食事・アクティビティ込みの価格なので、体験型旅行としてはコスパが高いと言われています。

車窓から広がる“レッドセンター”の絶景が圧巻

ザ・ガン最大の魅力は、車窓からの景色がドラマチックに変化していくこと。
アデレード近郊の緑豊かな丘陵地帯から始まり、やがて赤土の大地が果てしなく続く レッドセンター(オーストラリア内陸部) へと突入します。

  • 背の低い灌木が広がる乾燥地帯
  • 地平線に真っ赤な夕日が沈む瞬間
  • 砂漠の中にぽつんと現れるアウトバックの町
  • 雲ひとつない夜空に満天の星

鉄道の速度は“速すぎず、遅すぎず”。
写真を撮る余裕があるスピードで、景色を味わい尽くせます。

途中で楽しめる観光アクティビティが豪華すぎる

ザ・ガンのチケットには、主要停車駅で体験できる エクスカーション(小旅行) がセットになっています。これがまた魅力たっぷり。

  • アリススプリングス:砂漠を4WDで巡るアウトバック体験
  • キャサリン:ニトミルク国立公園のゴージ・クルーズ
  • ダーウィン周辺:湿地帯のクロコダイルツアー(オプション)

「鉄道で移動 → 途中で大自然を探検 → 車内でディナー」
というリズムが、まさに“旅の理想形”と言えるほど心地いいんです。

ラグジュアリーな車内設備とサービスも高評価

ザ・ガンの車内は、ホテルに泊まっているかのような快適さ。

  • ベッド付き個室キャビン
  • プライベートシャワー(一部クラス)
  • 地元食材を使ったフルコースディナー
  • オーストラリアワインが楽しめるラウンジ
  • フレンドリーなホスピタリティ

特にゴールドクラス以上は“絶妙な高級感”があり、
「豪華すぎず、カジュアルすぎず、ちょうどいい」と評判です。

こんな人におすすめ!ザ・ガンが向いている旅のスタイル

  • 広大な自然をじっくり味わいたい
  • 一度は“オーストラリア鉄道”の王道を経験したい
  • 記念日旅行・ハネムーンに“体験型の贅沢”を取り入れたい
  • 車内サービスも妥協したくない

とくに 「せっかくオーストラリアに行くなら、特別な体験がしたい」 という人には、まずザ・ガンをおすすめします。

インディアン・パシフィック(Indian Pacific)|シドニー〜パースを結ぶ“横断4,352kmの冒険”

オーストラリア鉄道旅の中でも、インディアン・パシフィック(Indian Pacific) は「大陸横断」というロマンをもっとも体感できる路線。シドニーとパースという“東海岸と西海岸”の2大都市を結び、その距離なんと 4,352km。日本列島の長さ(約3,000km)を軽く超えるスケールの旅は、まさに“鉄道でしかできない冒険”そのものです。

運行開始は1970年と比較的新しいですが、オーストラリアの広さをじっくり味わいたい旅行者にとって、今や憧れの路線。青と銀の美しい車体が内陸をまっすぐ突き進む姿は、鉄道ファンならずとも思わず心を奪われます。

運行区間・所要時間・料金の基本情報

インディアン・パシフィックは シドニー ⇆ パース を3泊4日で結びます。

  • 総距離:4,352km
  • 所要時間:約4日間
  • 主な停車駅:ブルーマウンテンズ、ブロークンヒル、アデレード、クック、カールグーリー など
  • 料金目安(変動あり):
     ・ゴールドクラス:2,700〜4,000AUD
     ・プラチナクラス:6,000AUD〜

すべての食事・エクスカーション付きで、寝台列車としての快適さもトップクラスです。

“世界最長の直線区間”を走る圧巻の車窓体験

インディアン・パシフィックの象徴ともいえるのが、478kmも続く“世界最長の直線レール”。ここは鉄道ファンの聖地とも言われ、

  • どこまでも真っ直ぐな線路
  • 空と大地だけのミニマルな景色
  • ゆっくり流れる広大なアウトバック

という、他では絶対に味わえない非日常の世界が広がります。

とくに、夕暮れ時の車窓は息を呑むほど美しく、“砂漠に沈む太陽”を列車から眺めるひとときは、多くの旅行者が「一生忘れられない」と語る名シーン。

ストーリー性のある停車駅とアクティビティが魅力

この鉄道の面白さは「車窓だけじゃない」点にもあります。
途中駅でのエクスカーション(小旅行)がとてもユニーク。

  • ブロークンヒル:アートの街を巡るカルチャーツアー
  • アデレード:ワイナリーが点在するグルメ体験
  • クック:人口わずか数人という“ゴーストタウン”へ
  • カールグーリー:巨大なゴールドマイン(鉱山)ツアー

“都市 → 荒野 → 芸術 → ゴーストタウン → 海岸線” と雰囲気が目まぐるしく変わるので、飽きる瞬間がありません。

ホテル級のラウンジ・食事・キャビンで快適そのもの

インディアン・パシフィックは、“快適すぎる冒険”とも呼ばれるほど車内のサービスが優秀です。

  • ゆったり眠れる寝台キャビン
  • シャワー完備のプライベート空間(クラスによる)
  • 旬の食材を使ったシェフのコース料理
  • バーラウンジではワイン・クラフトビールを自由に楽しめる

観光とリラックスのバランスが抜群で、「移動しているだけなのに満ち足りた気分になる」と評判。

大陸横断ならではの“旅のストーリー”がある

4日間、ひたすら大地を横断するインディアン・パシフィックの旅は、ただの移動ではありません。

  • 乗客同士の交流が生まれる
  • 朝起きるたびに外の景色がまったく違う
  • 砂漠 → 森林 → 街 → 海岸という変化をじっくり体感
  • 到着したパースの海を見た瞬間の達成感がすごい

「人生で一度は乗ってほしい鉄道」と言われるのも納得の内容です。

グレート・サザン(Great Southern)|季節限定で走る“海沿いのラグジュアリートレイン”

オーストラリアの鉄道旅において、比較的新しい存在でありながら一気に人気路線へと躍り出たのが グレート・サザン(Great Southern)。2019年に運行が始まったばかりの季節限定列車で、ブリスベンとアデレードを結ぶ約2,000kmの旅は、“海・ワイン・都市・自然”が絶妙にミックスされた贅沢なルートです。ザ・ガンやインディアン・パシフィックとは異なる「爽やかな海の雰囲気」をまとった鉄道旅で、特にカップル・友人同士・大人の女子旅に人気が高まっています。

運行区間と基本情報|季節限定ならではの特別感が魅力

グレート・サザンは 12月〜2月の“夏季限定” で運行されるレアなトレイン。
運行区間は以下の通り。

  • ブリスベン ⇆ アデレード(片道 2〜3日)
  • 総距離:約2,000km
  • 料金目安
     ・ゴールドクラス:2,000〜3,000AUD前後
     ・プラチナクラス:4,500AUD〜

季節限定で本数も多くないため、「運行している時期に合わせて旅プランを立てる」という特別感があり、鉄道ファンだけでなく一般旅行者からの注目度も高め。

海・ワイン・自然…魅力が詰まりすぎた“よりどりみどり”のエクスカーション

グレート・サザン最大の楽しみは、停車地で体験できるアクティビティの多彩さ。
まるで“高級リゾートをはしごする感覚”で、異なる表情の街や自然を味わえます。

  • コフスハーバー(NSW)
     海沿いの街でビーチ散策、海岸線の絶景を満喫
  • ハンター・バレー(NSW)
     オーストラリア有数のワイン産地でテイスティング
  • メルボルン(VIC)
     カフェ文化やアートを感じる都会散策
  • グレートオーシャンロード(VIC)
     12使徒の絶景をヘリコプターで見るオプションも人気

“山 → 海 → 都市 → ワイン → 歴史” と短期間で多様な魅力に触れられるのが、この路線が「女子旅向き・記念日向き」と言われる理由です。

車内では“爽やかなラグジュアリー空間”が広がる

グレート・サザンの車内は、同系列のザ・ガンやインディアン・パシフィックと同じクオリティを保ちつつ、全体的に 軽やかで明るい雰囲気

  • 地元産の魚介を使ったコース料理
  • オーストラリア各地のワインが並ぶバー
  • 海沿いを走る区間では青い景色が差し込むラウンジ
  • 寝台キャビンは落ち着いた色調のモダンデザイン

“乗った瞬間に非日常へ切り替わる”感覚があり、移動中もずっと特別な時間を味わえます。

ほかの長距離鉄道と比べて“初心者向き”“短めで乗りやすい”のがポイント

ザ・ガン=縦断のワイルド
インディアン・パシフィック=横断の冒険
というイメージに対し、

グレート・サザンは、ちょうどその中間タイプ。

  • 旅程が2〜3日で参加しやすい
  • 内陸よりも都市&海沿いの景色が中心で親しみやすい
  • 停車地のアクティビティがバラエティ豊か
  • ワインやグルメが好きな人に相性抜群

そのため「初めてのオーストラリア鉄道旅でどれに乗るべき?」と聞かれたら、グレート・サザンは非常におすすめしやすい路線です。

こんな旅スタイルの人にぴったり!

  • 海・ワイン・自然をバランスよく楽しみたい
  • がっつり大陸縦断・横断よりも“ちょっと贅沢”が理想
  • 記念日旅行・新婚旅行で特別な体験がしたい
  • 夏のオーストラリアを効率よく巡りたい

とくに “海が好きな人” や “都会と自然の両方を楽しみたい人” は、グレート・サザンなら満足度が非常に高いはずです。

初心者でも乗りやすい注目ローカル路線3選|日帰りで楽しめる鉄道旅アイデア

長距離鉄道の壮大さも魅力ですが、「もっと気軽に鉄道旅を楽しみたい」「日帰りでふらっと行ける路線が知りたい」という人も多いはず。そこでここでは、“初心者でも迷わず乗れて、しかも景色が抜群” というローカル鉄道路線を3つ紹介します。どの路線も都市からアクセスしやすく、旅のスキマ時間に組み込みやすいのもポイント。「オーストラリア鉄道旅って楽しい!」と感じられる最初の一歩にぴったりです。

キュランダ観光鉄道(QLD)|熱帯雨林を走る“絶景トロピカルトレイン”

ケアンズ観光の定番として知られる キュランダ観光鉄道(Kuranda Scenic Railway) は、初心者でも安心して楽しめる鉄道旅の代表格。19世紀に建設された歴史ある路線で、山岳地帯をゆっくり登っていくレトロな車両が特徴です。

見どころはなんといっても 世界遺産ケアンズの熱帯雨林

  • 緑のトンネルを走る爽快感
  • バロン滝展望スポットでの停車
  • 曲線の高架橋から見えるジャングル絶景
  • キュランダ村で楽しむマーケット散策

往路・復路でスタイルを変えたい人は、スカイレール(ロープウェイ)との組み合わせが人気。鉄道と空中散歩、両方の視点から自然を満喫できます。

ブルーマウンテンズ行き NSW TrainLink(NSW)|シドニー発“世界遺産の青い山”へ気軽に日帰り旅

シドニーから日帰りで行ける鉄道旅としてダントツ人気なのが、NSW TrainLink のブルーマウンテンズ方面。シドニー中心部のセントラル駅から電車1本でアクセスでき、片道2時間弱で世界遺産の大自然にたどり着きます。

ブルーマウンテンズの魅力は、

  • 雲海に包まれたユーカリの森
  • 断崖絶壁が連なる壮大な谷
  • 名所「スリーシスターズ」展望台
  • ケーブルカーや世界最急勾配のトロッコ体験

など“とにかく景色の迫力がすごい”こと。
都市から近いのに、ここまで本格的な自然が広がるのはオーストラリアならではです。

電車の本数が多く、英語が不安な人でも簡単に移動できるので、「とりあえず鉄道旅を試したい」という人に最適なルートです。

パフィン・ビリー鉄道(VIC)|家族にも人気!蒸気機関車で行く“のどかな森の旅”

メルボルン近郊で人気の観光鉄道といえば、パフィン・ビリー鉄道(Puffing Billy Railway)。100年以上の歴史を持つ保存鉄道で、今でも蒸気機関車が実際に走る“動く博物館”のような存在です。

この路線の魅力は、なんといっても “窓の外に足を出して乗れる” というユニークなスタイル(※特定車両のみ・安全管理あり)。子どもはもちろん、大人も思わず童心に帰ってしまう楽しさがあります。

  • 森の中をゆっくり走る癒しの車窓
  • 緑に包まれた橋梁はフォトスポット
  • 終点近くの湖畔散策も人気

メルボルン市内から片道1時間ほどでアクセス可能なため、家族旅行やグループ旅の“半日アクティビティ”としても組み込みやすい鉄道です。

初心者にローカル路線がおすすめな理由

なぜローカル鉄道路線が初心者に向いているのかというと――

  • 日帰りで行けるので旅程を組みやすい
  • 大都市から直通でアクセスしやすい
  • 鉄道旅の雰囲気を“気軽に”体験できる
  • 車窓の美しさが初心者にも分かりやすい

特にキュランダ鉄道とブルーマウンテンズは「ここに行けば間違いない」と断言できる王道ルートです。

こんな人におすすめ!ローカル路線の魅力

  • 鉄道旅に興味はあるけど長距離は不安
  • 家族や友人と“ライト旅”を楽しみたい
  • まずは日本語情報が多いルートから試したい
  • ケアンズ・シドニー・メルボルンに滞在予定

そんな旅行者の背中を、そっと押してくれるのがローカル鉄道の存在。
オーストラリアの鉄道旅の入門編として、ぜひ一度体験してみてほしい路線ばかりです。

注意事項

オーストラリアの鉄道旅は、ゆったりとした時間の流れや壮大な車窓が魅力ですが、同時に気を付けておきたいポイントもいくつかあります。
日本の鉄道システムとは大きく異なる点も多く、事前に知っておくことで旅のトラブルを防げますし、より快適で安心した鉄道旅を楽しむことができます。

ここでは、特に初めて長距離鉄道に乗る人や、海外での鉄道旅に不慣れな人が押さえておきたい注意事項を詳しくまとめました。

長距離鉄道は運行日が限られるため「必ず早めに予約する」

オーストラリアの長距離鉄道(ザ・ガン、インディアン・パシフィック、グレート・サザン)は、日本の新幹線のように毎日運行されているわけではありません。週1〜数回の運行が基本で、繁忙期は数カ月先まで満席になることも珍しくありません。さらにゴールドクラスやプラチナクラスの寝台は席数が限られているため、「旅程が決まったらすぐ予約」が鉄則です。また、ダイヤ変更やメンテナンスによる運休が発生する場合もあるため、公式サイト・予約確認メールは必ず最新情報をチェックしましょう。

荷物制限があるため「スーツケースの大きさ・個数」を事前に確認する

長距離鉄道では飛行機同様、荷物のサイズと個数に制限があります。預け入れ荷物は 20〜30kg 程度が目安で、車内に持ち込める荷物も“キャビンに収納できる大きさ”に限られます。特にプラチナクラスやゴールドクラスの寝台はスペースが限られるため、大きすぎるスーツケースを複数持ち込むと非常に不便になります。旅のスタイルに合わせて荷物を整理し、必要最低限にまとめておくと快適です。また、駅で事前に荷物を預ける場合は“締切時間”があるので必ず確認しましょう。

気候の変化に備えて「服装を調整できるようにする」

オーストラリアは地域と季節で気候が大きく異なり、鉄道旅では数日間で“真夏→乾燥地帯→南の冷涼エリア”を横断することもあります。例えばザ・ガンでは、アデレードで涼しくても、アリススプリングスは40度近くになることも。また、車内は常にエアコンが効いているため、外が暑くても“車内は肌寒い”という状況がよくあります。薄い羽織りもの、速乾性の服、防寒インナーなど「重ね着で調整できる服装」を持っておくと安心。体調管理にもつながります。

車内Wi-Fiがなく圏外になる区間も多いため「オフライン対応の準備」が必要

長距離鉄道は都市部を離れると圏外エリアが多く、車内Wi-Fiを提供しない路線もあります。スマホで地図や翻訳アプリを使う人は、事前にオフラインデータをダウンロードしておくと安心です。また、動画視聴やストリーミングはできないため、電子書籍や音楽、映画などをスマホやタブレットに入れておくと快適に過ごせます。とはいえ、電波が届かないからこそ“デジタルデトックス”として車窓を眺める楽しさも鉄道旅の醍醐味なので、気持ちもゆったり構えて過ごしましょう。

停車地でのアクティビティは「時間厳守」&「必ず乗務員に従う」

長距離鉄道では途中駅で観光アクティビティが付いており、とても魅力的ですが、同時に時間管理が非常に重要です。アクティビティは団体で動き、鉄道は“定刻で出発”します。遅れると乗り遅れの可能性もあるため、ガイドやスタッフの指示に従って行動することが基本。また、アウトバックなど自然環境の厳しい地域では、水分補給と日焼け対策が必須です。特に夏のノーザンテリトリーや内陸部は紫外線が非常に強いので、帽子・サングラス・日焼け止めを忘れずに。

まとめ

オーストラリアの鉄道旅は、ただの移動ではなく“旅そのものを味わう贅沢な体験”です。ザ・ガンやインディアン・パシフィックといった大陸縦断・横断の路線はスケールが圧倒的で、車窓の景色や途中のアクティビティ、ホテルのように快適な車内サービスなど、どれを取っても非日常感に満ちています。

一方で、キュランダ観光鉄道やブルーマウンテンズ行きのようなローカル路線は、日帰りで気軽に楽しめる初心者向けルート。鉄道旅デビューにもぴったりで、都市滞在とセットで組み込みやすいのが魅力です。

どの路線を選んでも、共通して言えるのは“景色が旅の流れとともに変わり続ける感動”が味わえること。飛行機でも車でも得られない、鉄道ならではのゆったりとした時間が心に残ります。

さらに、注意すべき点――予約の早期確保、荷物制限、気候の変化、通信環境、アクティビティでの行動ルール――を押さえておけば、より安心して快適な鉄道旅が楽しめます。

オーストラリア鉄道旅は、旅の目的地に向かう“移動時間”が、思い出の中心になる最高の旅スタイル。あなたの旅のテーマに合わせて、憧れの1本をぜひ選んでみてください。

おわりに

オーストラリアの鉄道旅は、地図の上では知っていたはずの“広さ”や“自然の豊かさ”を、実際に体感できる特別な旅のスタイルです。長距離列車に揺られながら見える車窓の景色は、移動という概念を超え、まるで一本の映画を観ているような贅沢な時間。忙しい日常から離れて、自分のペースで景色を眺め、心を整えるひとときは、旅人にとって忘れられない体験になるはずです。

大陸を貫くロマンあふれる路線、青く輝く海沿いを走る季節限定列車、そして気軽に楽しめるローカル鉄道ーーどのルートにも、それぞれの物語があります。今回紹介したおすすめ路線を参考に、あなたの旅スタイルに合う一本をぜひ探してみてください。鉄道というゆったりとした時間軸で進む旅は、きっと新しいオーストラリアの魅力と出会わせてくれます。

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