ビクトリア州の野菜生産者キャサリン・ヴェリシャさんは、オーストラリアの食品システムが崩壊していると話しますが、それはスーパーマーケットのせいではないと言います。
毎シーズン、ヴェリシャさんが育てたカリフラワーの一部は、小さすぎたり、日焼けで少し黄色くなったり、葉の摩擦で小さな斑点があるため、スーパーマーケットに買ってもらえません。
「誰か一人の責任ではなく、私たち全員の問題です。生産者、スーパーマーケット、そして消費者も含まれます」とヴェリシャさんは言います。
「私たち一人ひとりが無力に感じることがあるかもしれませんが、実際には私たちには大きな力があり、日々の選択で食品システム全体に変化をもたらすことができるのです。」
消費者の意識が変革を後押し
消費者が食品を選ぶ際にあまり選り好みしないことが、変革の一歩になるとヴェリシャさんは述べます。
「スーパーマーケットは、棚に残ったものを元に販売データを取ります。カリフラワーやブロッコリー、りんごを探して特定のものだけを選んでいると、そのデータから“売れるのはこのサイズや色のものだ”と判断し、それが基準になってしまうのです」とのことです。
オーストラリアでは毎年約800万トンの食品が廃棄されており、「エンド・フードウェイスト・オーストラリア(EFWA)」によると、世界で10番目に食品を無駄にしている国です。そのうち70%が食べられるものであり、廃棄することで家庭では週に50ドル、国全体では年間360億ドルのリソースが無駄になっています。
「世界的に見ても、食品廃棄物は航空機の排出量よりも大きな炭素足跡を残します。オーストラリアの場合、これは排出量全体の約3.5%に相当します」とEFWAのメリッサ・スミスさんは言います。
解決策を求めて
メルボルンの大学で出会ったジョシュ・ボールさんとジョシュ・ブルックス=ダンカンさんは、4年前に食料救済事業を立ち上げました。彼らは、食べられる食品が廃棄されるのを見てショックを受け、この事業を始めたといいます。
「ファーマーズ・ピック」は、サイズや色、形が基準を満たさず廃棄される生鮮食品を生産者から買い取り、それを箱詰めして消費者に販売するという仕組みです。
ボールさんは、生産者がこの提案を「本物」と認識するのに少し時間がかかったと話します。「生産者は『なぜこれを買うの? これは40年間もゴミだと言われてきたんだ。畑に捨てて分解させればいいって言われてきた』と驚いていました」とのこと。
現在、同社はメルボルンとブリスベンの倉庫から毎週12万キロの生鮮食品を供給しています。また、中央市場で売れ残った果物や野菜も買い取っており、新しい生産者との提携も常に模索しています。
「これは簡単な提案です。『畑に捨てる代わりに、箱に入れてくれればお金を払う』というだけです」とボールさんは言います。
目標に向けた取り組み
オーストラリア連邦政府は、2030年までに食品廃棄を半減するという目標を掲げています。
EFWAのスミスさんは、この目標が環境的、社会的、そして経済的に重要であると述べています。「食品を無駄にすると、それを作るために費やした土地、水、ディーゼル燃料、肥料、スタッフの時間など、すべてが無駄になります」とスミスさんは説明します。
金銭的には、毎年数十億ドルが無駄になっており、ビクトリア州と同じ広さの土地が無駄に使われているとされています。EFWAは、食品事業者が廃棄物を特定し、それを埋め立て地に送らず再利用するための監査サービスも提供しています。
サイモン・ジョージ&サンズという食品提供業者は、EFWAの監査を受けた後、ブリスベンで慈善団体「フェアシェア」に新鮮な食品の寄付を始めました。
フェアシェアのボランティアは、寄付された生鮮食品から年間150万食を提供しています。シェフのジェームス・フィーンさんによれば、さらに多くの食料が寄付されれば、年間500万食を提供することも可能です。
「現在、これまで食料援助を受けるとは思っていなかった家族が支援を必要としています。中には仕事を持っている人も含まれています」とフィーンさんは述べ、食品廃棄に関する問題は解決の糸口にも至っていないと話しています。
このように、オーストラリアでは食品廃棄問題に立ち向かうさまざまな取り組みが進行中です。私たち一人ひとりが、日常生活の中で選択を意識することで、廃棄される食品の量を減らし、持続可能な社会を実現する力を持っています。
今回の記事か役に立った!良かった!と思ったらシェアしてもらえると嬉しいです。
閲覧いただきありがとうございます。
You only live once!! Enjoy your life!!
関連記事