ビクトリア州ジーロングにあるジーロング植物園では、10年に一度しか咲かないとされる「死体花」(アモルフォファルス・チタヌム)が満開を迎え、多くの訪問者がその珍しい姿と悪臭を楽しむために集まっています。
死体花の概要
ジーロング植物園の「死体花」は、学名「アモルフォファルス・チタヌム」として知られ、開花すると腐敗した動物のような強烈な臭いを放つことからその名前が付けられています。
満開時にはこの悪臭が最大限に広がり、多くの人が「死体のような匂い」と例えるほどです。
開花の様子と観覧者の反応
ジーロング植物園のコーディネーター、ケリー・レイジンガー氏によると、昨日が開花のピークで、特に強烈な悪臭が漂っていました。
「昨日は、まるで死んだウサギのような匂いがしました」と彼女は述べています。
現在は、あと1日ほど開花した状態が続き、その後、花はしぼんでしまう見込みです。
この希少な花が開花すると聞きつけ、地元のみならず、遠方からも大勢の観覧者が植物園に訪れ、オンラインでのライブストリームも数万人が視聴しています。
「このイベントが始まってから、人々は行列を楽しみ、期待を膨らませて観覧を待っています。
特にライブ配信への反応は素晴らしいです」とレイジンガー氏は語っています。
10年に一度の開花サイクル
この死体花は7年から10年ごとに開花し、開花期間はわずか24〜48時間と非常に短いため、その一瞬の美しさを楽しむのはまさに貴重な体験です。
「毎年地下でエネルギーを蓄えるため、再び花を咲かせるには7年から10年が必要なのです」とレイジンガー氏は説明しています。
死体花の原産地と構造
元ビクトリア王立植物園のティム・エントウィッスル教授によると、この大型の花はインドネシア・スマトラ島の熱帯雨林が原産地です。
「かつては比較的普通に見られましたが、現在ではかなり希少になっています」と教授は述べ、花の高さは2メートルに達し、幅は1〜1.5メートルになると説明しています。
エントウィッスル教授によれば、黄色と緑の花が開き、紫色のスカートのような部分が1〜2日間にわたり現れるのが特徴です。
「巨大で珍しい花であることから、多くの人々を引きつけるのだと思います。
実際には無数の小さな花が集まって一つの大きな花のように見えるのです」と教授は言います。
悪臭の戦略とその影響
この花が放つ強烈な臭いは、戦略的なもので、スマトラでは腐肉に集まる昆虫を引き寄せる効果があります。
「美しい香りを放つ他の植物と異なり、この花は腐敗臭を放つことで昆虫を引き寄せています」と教授は説明しています。
また、温室内でこの花と一緒にいると、その匂いが衣服に染みつくほど強烈であるとのことです。
世界最大の花?議論も
エントウィッスル教授によると、死体花が「世界最大の花」と呼ばれることについても議論があります。
「私はこれが世界最大の花だと考えていますが、小さな花が集まっているだけだと主張する植物学者もいます」と彼は述べ、全体を一つの花と見なすか、小花の集合体とするかによって意見が分かれることを説明しました。
訪問者の熱気と匂いの変化
過去数日間で、ジーロング植物園には何千人もの人々が訪れ、この希少な開花を目撃しています。
レイジンガー氏によると、月曜日以降は臭いが和らぎ、火曜日には子供たちの反応も穏やかになったそうです。
「昨日は子供たちの表情が面白かったですが、今日はそれほどでもありません」と彼女は語りました。
ジーロング植物園での「死体花」開花は、多くの人々にとって一生に一度の体験であり、独特の悪臭とともに訪問者を魅了しています。
この貴重な花の存在が、多くの人々に植物の不思議さを改めて感じさせています。
おわりに
ジーロング植物園での「死体花」の開花は、希少な自然の驚異を目の当たりにする貴重な機会です。
この花が10年に一度という周期で咲き、短い時間しかその姿と独特の臭いを楽しむことができないことから、多くの訪問者や視聴者にとって忘れられない体験となったでしょう。
腐敗臭を放つという独特の戦略で昆虫を引き寄せる「死体花」は、自然の多様性や植物の生態系の奥深さを教えてくれます。
次の開花は7年から10年後、再び訪れるその時まで植物園の話題となることでしょう。
今回の記事か役に立った!良かった!と思ったらシェアしてもらえると嬉しいです。
閲覧いただきありがとうございます。
You only live once!! Enjoy your life!!
関連記事