セレスティアルV70が今年のシドニー・ホバートヨットレースで暫定優勝を獲得

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ニューサウスウェールズ州のヨット「セレスティアルV70」が、今年のシドニー・ホバートヨットレースで暫定的な総合優勝を果たしました。

このヨットは、オーストラリア・クルージングヨットクラブ(CYCA)のコモドール(会長)であり、船主兼スキッパーのサム・ヘインズ氏が率いるもので、628海里(約1,163キロメートル)の過酷なレースをハンディキャップ制で1日16時間10分20秒という記録で制しました。

ヘインズ氏がスキッパーを務めるヨットがタッタソールカップを獲得するのはこれが2度目で、前回は2022年に同じ「セレスティアル」で勝利を収めています。

今回のレースについてのヘインズ氏のコメント

レース後のメディア会見で、ヘインズ氏は今年のレース中に発生したロイ・クエイデン氏とニック・スミス氏の不幸な事故について言及するとともに、挑戦的なレース予報が自艇に有利に働いたことを認めました。

「私たちは、このヨットとクルーが持つ能力を信じて、挑戦する準備ができていました」とヘインズ氏は語っています。

また、バス海峡での航行について「非常に困難だった」と述べ、その危険性の高い水路が今年もその名声を裏切らない結果になったと振り返りました。

バス海峡の攻略とヨットの特性

「北風が非常に強い中での航行から、風向きが変わるタイミングをうまく乗り切り、バス海峡を渡るための最適なポジションを確保しました。でも、本当に難しい挑戦でした」とヘインズ氏。

彼はさらに、セレスティアルV70がこのような条件のために設計されていることも勝因の一つだと述べました。

「このヨットは、高速航行のために作られており、大波がデッキを襲ってもその波を切り進む設計になっています。波の上を跳ねるのではなく、しっかりと波に突き進むんです。強風と大波の中でも、このヨットの設計と私たちの操縦が一体となり、良い結果をもたらしました。」

インショアルートの選択が勝利の鍵に

ヘインズ氏にとって、2度目のタッタソールカップ獲得は特別な喜びだったようです。「特に、ほぼ同じクルーと一緒に勝利を分かち合えたことは、本当に嬉しいです。これまで様々な航海を共にしてきた仲間です。」

彼はまた、タスマニア沿岸で「インショアルート(沿岸航路)」を選択したことが奏功したと述べています。

「タスマニア島の周辺では、西風が島の北西や南西から吹き寄せ、それが交差する地点があります。このゾーンでは多くのヨットが足止めを食らいますが、私たちはそれをうまく乗り越えることができました。」

ただし、「ダーヴェント川に到達するまでは安心できる状況ではありませんでした」と、勝利への緊張感も明かしました。

レース中の悲劇とスポーツマンシップ

今年のレースでは命を落とした参加者がいたことから、「今回の勝利の喜びには、いくらかの重さが伴っています」とヘインズ氏は述べています。「競技者として、またセーラーとして、このような出来事が起きた場合、それを深く検証しなければなりません。」

また、スーパー・マキシ艇「ローコネクト」は、今年も2年連続でラインオナー(最速記録)を獲得しましたが、参加者の死を悼み、派手な祝賀ムードを控えたとされています。同艇はクリスチャン・ベック氏がスキッパーを務め、1日13時間35分13秒でフィニッシュしました。

補足情報

シドニー・ホバートヨットレースは、世界で最も過酷なヨットレースの一つとされており、毎年クリスマス後に開催されます。628海里にわたるコースは、航海技術だけでなく、耐久性とチームワークが試される場でもあります。

今回のセレスティアルV70の勝利は、ヨットの設計、クルーの経験、そして適切な戦略が完璧に組み合わさった結果といえるでしょう。

おわりに

シドニー・ホバートヨットレースは、自然の力と人間の技術が交錯する壮大なイベントです。今年のレースでは、「セレスティアルV70」がその実力を証明し、チームの結束力と戦略的な判断が勝利をもたらしたことが印象的でした。一方で、レース中に発生した悲劇は、このスポーツが持つ危険性と責任の重さを改めて考えさせられる出来事でした。

ヨットレースは単なるスポーツではなく、自然と向き合う挑戦であり、参加者たちは常にリスクを背負っています。それでも、チームが一丸となり、困難を乗り越える姿は多くの人々に感動を与えます。

来年のレースでは、どのようなドラマが展開されるのか、またどのような技術と戦略が新たに生まれるのか、期待が高まります。セーラーたちの挑戦は、私たちに勇気と希望を与えるものであり、未来の航海にもつながる意義深いものです。

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参照元
https://www.abc.net.au

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