
オーストラリアは、美しい自然と都市の調和が魅力の観光大国。
しかし、「治安は大丈夫?」「日本人でも安心して旅行できる?」という不安を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、現地在住者の体験や統計データをもとに、オーストラリア旅行の安全対策を徹底解説します。
オーストラリアの治安レベルは安全?危険?

オーストラリアは先進国であり、治安も比較的安定していると言われていますが、日本とは異なる社会背景や文化を持つため、旅行者として油断は禁物です。
安全な国といえど、軽犯罪やトラブルのリスクはゼロではありません。
ここでは、オーストラリア全体の治安の傾向と、日本との比較を通して、その実態を詳しく見ていきます。
安心して旅行するために、正しい知識を身につけましょう。
基本的には「先進国レベルの安全性」
オーストラリアはG20にも加盟する先進国であり、治安も比較的安定しています。
殺人事件の発生率も低く、観光には適した国です。
ただし、軽犯罪には注意が必要です。
統計から見るリスク
犯罪の種類 | オーストラリア | 日本 |
---|---|---|
強盗発生率 | 約43.7件/10万人 | 約2.5件/10万人 |
車上荒らし | 高頻度(都市部) | 非常に低い |
性犯罪 | 比較的多い | 少ない |
旅行者が注意すべき主な犯罪と対策

オーストラリアを訪れる日本人旅行者が最も注意すべきなのは、日常的に起こりうる「軽犯罪」です。
特にスリや置き引き、レンタカーの車上荒らし、そして観光地での詐欺などが頻発しています。
こうしたトラブルはちょっとした油断から起こるものばかり。
どんな場面でどんな犯罪が起こりやすいのか、そして具体的な対策は何かをしっかりと押さえておくことが、トラブル回避の鍵になります。
スリ・置き引き
オーストラリアの主要都市や観光地では、観光客を狙ったスリや置き引きが頻繁に発生しています。特に空港、駅、バス停、ショッピングセンター、カフェなど「人が多く、注意が散漫になりやすい場所」で被害が起こりやすいです。
犯人は単独または2人1組で行動し、「ぶつかってくる」「話しかけてくる」「物を落として拾わせる」などの手口で注意を逸らし、貴重品を盗み取るケースもあります。
荷物は常に身体の前に持ち、椅子の背もたれにかける、床に置くといった行為は厳禁。
スマホや財布をテーブルに置いたまま離席するのもNGです。人混みではバッグのファスナーを閉め、可能であれば防犯ポーチを使いましょう。
車上荒らし
レンタカーや自家用車を使った旅行中に多いのが「車上荒らし」です。
オーストラリアでは車の窓ガラスを割って中の荷物を盗む事件が少なくありません。
特に人気のない観光地の駐車場や、夜間の路上駐車時に狙われやすく、トランクや後部座席に荷物を置いていても安全とは言えません。
犯人は「何か入っていそうなバッグ」を見つけると即座に犯行に及ぶため、たとえ短時間の離車でも貴重品は必ず携帯することが大切です。
荷物を積む際に人目につく場所で行うのも避けましょう。
また、駐車時には監視カメラのある施設や明るい場所を選ぶことも有効です。
ダッシュボードに小銭やガジェット類を置くのも避けてください。
偽警察による詐欺
旅行者が被害に遭いやすいのが、「偽警察」や「旅行者を狙った詐欺行為」です。
たとえば、見た目は本物のような制服を着た人物が「身分証を見せろ」「薬物所持の疑いがある」と言ってパスポートや財布を提示させ、隙を見て現金を抜き取るといったケースが報告されています。
こうした詐欺の多くは人気の少ない場所や夜間に発生することが多いため、不審な人物に声をかけられた場合はまず落ち着いて相手の身分証明書を確認しましょう。
また、パスポートや財布はその場で渡さず、提示する場合は中身を抜いたコピーで対応するのも手です。
不安を感じたら、人通りの多い場所に移動する、または近くの店舗に避難して助けを求めるのが有効です。
夜のバー・クラブでのトラブル
オーストラリアはナイトライフも盛んな国で、クラブやバーでの夜遊びを楽しみに訪れる人も多いですが、実は旅行者がトラブルに巻き込まれやすい時間帯でもあります。
酔った客同士のトラブルや喧嘩、知らない人から勧められた飲み物に薬物が混入される「ドリンクスパイク」などの事件も報告されています。
特に女性のひとり飲みは狙われやすいため、ドリンクから目を離さない、知らない人から提供された飲み物は口にしない、という基本的な対策が不可欠です。
また、貴重品は最小限にし、財布やスマホをポケットや椅子の上に置くのは危険です。
泥酔状態にならず、深夜の帰宅には信頼できるタクシーや配車アプリ(Uberなど)を使うことを強く推奨します。
都市別の治安状況と注意ポイント

同じオーストラリア国内でも、都市によって治安状況や注意すべきポイントには差があります。
たとえば、シドニーやメルボルンのような大都市では、ナイトライフが活発な分、夜間の犯罪も多く報告されています。
一方で、観光地として人気の高いケアンズやゴールドコーストでも、観光客を狙ったトラブルが起こることがあります。
ここでは、代表的な都市ごとに治安傾向と注意点を解説します。
シドニー
オーストラリア最大の都市・シドニーは観光・ビジネスともに活気ある街で、基本的には安全ですが、夜間には注意が必要です。
特に「キングスクロス」や「セントラル駅周辺」は、ドラッグ関連のトラブルや酔っぱらいによる絡みが報告されており、女性の一人歩きは避けたいエリアです。
昼間は治安が良く、観光も快適に楽しめますが、夜間は人通りの多い通りを選ぶなど、防犯意識を持ちましょう。
メルボルン
「世界一住みやすい都市」と称されることもあるメルボルンですが、夜間の裏通りや駅周辺では軽犯罪が発生しています。
特に「サザンクロス駅」や「CBD(中心業務地区)」の裏道では、スリや薬物中毒者による声かけなどもあるため注意が必要です。
一方で、昼間の市内観光やトラム移動は比較的安全で、旅行者も多く、安心して過ごせます。
女性の一人旅では夜間の外出を控えるのがベターです。
ブリスベン
温暖で穏やかな気候が魅力のブリスベンは、全体的には治安の良い都市とされています。
ただし「フォーティテュード・バレー」などのナイトスポットでは、酔客によるトラブルや軽犯罪が報告されています。
特に週末の深夜には、バーやクラブでの盗難や喧嘩に巻き込まれないよう注意が必要です。
日中の観光や川沿いの散歩は安全で快適なので、メリハリのある行動を心がけましょう。
パース
オーストラリア西海岸の都市・パースは、比較的落ち着いた雰囲気で、他都市に比べると治安も良好です。
ただし、深夜の駅周辺や人気の少ない裏通りでは、酔った若者やホームレスとのトラブルが起こることもあります。
レンタカーを利用する人は車上荒らしに注意しましょう。
市内中心部やキングスパークなどの観光地は日中は安全で、ファミリーや一人旅にも適しています。
ケアンズ・ゴールドコースト
どちらも観光地として人気の高いエリアで、日中は非常に安全に楽しめます。
ただし、夜になるとクラブやバー周辺でのスリ、置き引き、酔客同士のトラブルが報告されています。
特に観光客を狙った犯行が目立つため、荷物の管理には細心の注意を払いましょう。
また、ビーチ近くでは海水浴後に持ち物を放置することで盗難に遭うケースも。
行動時は常に最低限の持ち物で移動するのが賢明です。
ダーウィン
ダーウィンは観光地としても知られていますが、他都市と比べて浮浪者が多く、酒に酔った人々が街中で暴れている姿を見かけることもあります。
特に夜間の繁華街では、日本人を含むアジア人への敵意ある発言や絡まれた事例もあるため、注意が必要です。
日中は比較的平和で観光も楽しめますが、夕方以降は単独行動を控え、明るく人通りのある道を選ぶようにしましょう。
旅行トラブルの実例と教訓

「まさか自分が被害に遭うなんて…」旅行中のトラブルは突然やってきます。
事前に体験談や事例を知っておくことで、自分自身の旅に備えることができます。
この章では、実際にオーストラリアで日本人旅行者が巻き込まれたトラブルの事例を紹介し、それぞれから得られる教訓や対処法を解説します。
同じ失敗を繰り返さないための“予習”として、ぜひ読んでおきましょう。
トラブル | 教訓 |
---|---|
カフェでバッグ盗難 | 人通りの多いカフェやフードコートでも油断は禁物。椅子の背もたれにバッグをかけたり、床に直接置くのは絶対に避けましょう。 常に手の届く範囲に持ち、ひと目の届く場所に置くことが、盗難防止の基本です。 |
偽警察にパスポート詐取 | 突然パスポートの提示を求められても、その場ですぐに渡してはいけません。 警察官を名乗る人物には必ず身分証の提示を求めましょう。 疑わしいと感じたら、近くの人に助けを求める勇気も大切です。 |
車上荒らし | 車内に荷物を置かないのが鉄則です。 人目につかないようにトランクに隠したとしても、犯人には察知されやすく狙われます。 レンタカー利用時は、貴重品を常に持ち歩きましょう。 |
クラブで財布抜き取り | 知らない人との深い飲み交わしは要注意です。 ドリンクから目を離さない、飲みすぎない、ひとりで行動しないなど、夜遊びには冷静さが必要です。 楽しむ気持ちと警戒心を両立させましょう。 |
旅行前に準備したい安全対策グッズ
トラブルを未然に防ぐためには、旅の前からしっかりとした準備が重要です。
特に、安全に関する備えは「念のため」が「助かった」に変わることも。
ここでは、オーストラリア旅行前に準備しておきたいアイテムや書類、万が一に備えたバックアップ方法などをご紹介します。
安心できる旅行を叶えるための「持ち物チェックリスト」として活用してください。
- パスポートのコピー(紙+スマホ)
- 証明写真(2枚以上)
- 旅行保険加入証(電子 or 紙)
- 緊急連絡先リスト(大使館・家族)
安全に楽しめるおすすめ観光スポット
せっかくオーストラリアを訪れるなら、安全に楽しめる観光地もしっかり押さえておきたいですよね。
豊かな自然、文化、世界遺産が詰まったこの国には、治安に配慮しながらも十分に感動できるスポットが数多く存在します。
この章では、初心者でも安心して訪れられる人気観光地を厳選し、それぞれの魅力と滞在時の注意点を紹介します。
旅の計画にもぜひ役立ててください。
シドニー:オペラハウスとハーバーブリッジ

魅力:
オーストラリアを代表するランドマーク「オペラハウス」は、その独特なデザインと美しい港の風景が魅力です。隣接する「ハーバーブリッジ」からはシドニー湾や市街地の絶景が楽しめ、特に夕暮れ時は絶好の撮影スポット。クルーズやフェリーでの観光も人気で、夜景とともに贅沢な時間を過ごせます。
注意点:
観光客が多いため、スリや置き引きに注意が必要です。カフェやベンチでの休憩時は荷物を肌身離さず、写真撮影に夢中になっている間に貴重品を狙われるケースもあるので気をつけましょう。早朝や夜遅くの散策は、明るく人通りの多いルートを選びましょう。
ブルーマウンテンズ

魅力:
世界遺産にも登録されているブルーマウンテンズは、壮大な峡谷やユーカリの森林が広がる自然豊かなスポットです。特に「スリーシスターズ」と呼ばれる奇岩は人気の絶景ポイント。展望台からの景色や、スカイウェイ・ケーブルカーなどのアクティビティも充実しており、日帰りでも満足度の高い観光が可能です。
注意点:
山岳地帯のため、気温差や天候の変化に注意が必要です。朝晩は冷えることもあるので羽織ものを用意しましょう。また、自然の中では滑落や転倒のリスクもあるため、スニーカーやトレッキングシューズなど滑りにくい靴を履き、安全な歩道を利用してください。
ウルル(エアーズロック)

魅力:
オーストラリア中央部の赤い大地にそびえる巨大な一枚岩「ウルル」は、先住民アボリジニにとって神聖な場所。日の出や夕焼けによって刻々と色を変える景観は、まさに神秘的で、一生に一度は見たい絶景として知られています。周囲にはカルチャーセンターや歴史的なアボリジニの壁画もあり、文化的な体験も可能です。
注意点:
アクセスには飛行機と陸路を組み合わせる必要があり、計画的な日程が求められます。日中は気温が40度近くまで上がることもあり、熱中症対策として水分・日焼け止め・帽子が必須。また、登山は禁止されており、指定のトレイルを歩くようにしましょう。
グレートバリアリーフ

魅力:
世界最大のサンゴ礁「グレートバリアリーフ」は、シュノーケリングやスキューバダイビングを通じて、色とりどりの熱帯魚やサンゴを間近に体感できる海の楽園です。ケアンズからは多くのツアーが出ており、初心者でも安心して楽しめる設備やガイド付きのプランも充実しています。
注意点:
海でのアクティビティは天候に大きく左右されるため、予定変更に柔軟に対応できる日程調整が大切です。また、日差しが強いため、長時間の海上活動ではラッシュガードの着用やこまめな水分補給を心がけましょう。サンゴを踏んだり持ち帰る行為は禁止されており、自然保護への配慮も必要です。
まとめ:安全な旅を実現するために
オーストラリア旅行を安全に楽しむには、事前の準備と現地での心構えが欠かせません。
犯罪やトラブルは「知っていれば避けられた」というケースが多く、情報収集の差が旅の満足度に直結します。
最後に、この記事で紹介した内容をふまえ、もう一度旅のポイントを整理しましょう。
正しい知識と少しの注意で、あなたのオーストラリア旅行はもっと安心で、もっと楽しいものになるはずです。
- 常に周囲を警戒し、荷物管理を徹底
- 夜間は人通りの多い場所を選ぶ
- 疑わしい状況では迷わず断る勇気を
- 万が一に備えた準備で安心感UP
正しい情報と予防策があれば、オーストラリアは安全で魅力的な旅行先です。
ぜひこのガイドを活用して、素敵な旅を楽しんでください。