
オーストラリアは世界的にも“バリアフリー先進国”として知られ、公共交通機関から観光施設、ホテルまで高齢者にやさしい環境が整っています。
とはいえ、「高齢の親を連れて海外旅行って大丈夫?」「移動はきつくない?」「どんな観光地なら負担が少ない?」など、心配はつきものですよね。
この記事では、高齢者と一緒でも安心して楽しめる《オーストラリアのバリアフリー旅行のコツ》を、実体験や最新情報を交えてわかりやすく解説します。
移動のポイント、ホテルの選び方、観光地の難易度まで、初めての海外旅行でもしっかり準備できる内容にまとめました。
親子で快適に旅するためのヒントがぎゅっと詰まっているので、これを読めば不安はかなり軽くなりますよ。
高齢者と行くオーストラリア旅行の基本|バリアフリー先進国の魅力とは?

オーストラリアは、世界的にも「バリアフリー先進国」として高い評価を受けています。
空港、鉄道、バス、美術館、国立公園など、多くの場所が高齢者や車椅子ユーザーに配慮した設計になっており、海外旅行に不安を持つ家族にとって大きな安心材料になります。
特にシドニーやメルボルンなどの大都市は歩道幅が広く、段差がほとんどないため、街歩きがとても快適に感じられるはずです。
ここでは、そんなオーストラリアの「高齢者にやさしい特徴」を、旅行計画を立てるうえで知っておきたいポイントとあわせて解説します。
なぜオーストラリアは“高齢者にやさしい国”と言われるのか?
オーストラリアでは、公共施設の多くが国のガイドラインに沿って設計されており、エレベーターやスロープ、手すりなどが標準装備されています。さらに、観光地ごとに「歩行距離」「坂の多さ」「車椅子対応」といった細かな情報を公開しているところも多く、事前に体力に合わせたプランを組みやすいのが大きな魅力です。街中のレストランでも、段差が少なく座席の可動範囲が広い場所が多いため、食事中に体勢を変えやすい、出入りしやすいなどのメリットがあります。
高齢者と旅行するときに大切な“快適ポイント”
高齢者との旅行では「長時間歩かない」「こまめに休憩する」「日差しに注意する」がとても重要。オーストラリアは湿気が少なく過ごしやすい反面、日差しは強く、乾燥による疲労も蓄積しやすい環境です。そのため、観光地でもベンチや日陰スポットがどれくらいあるかを事前に把握すると、旅の快適さが劇的に変わります。また、医療体制も整っているため、万が一体調を崩した際にアクセスしやすい病院が多い点も安心材料です。
移動・観光・休憩の“バランス設計”が旅の満足度を決める
高齢者との旅行は「内容よりペース」が大切です。詰め込みすぎず、1日の観光スポットは2〜3か所に絞るだけで満足度が大きく上がります。オーストラリアは街全体の動線がスムーズで、カフェや公園など休める場所が多いため、ゆっくり過ごす旅と非常に相性が良い国です。たとえば、午前に1スポット、午後はのんびり海辺の散歩やカフェで過ごすなど“高齢者が疲れにくいリズム”を作ることで、旅のストレスがぐっと減ります。
バリアフリー情報の集めやすさも大きな魅力
オーストラリアでは、観光局や各自治体の公式サイトでバリアフリー対応状況が公開されており、訪れたい場所の歩行レベルや設備の有無を簡単に調べられます。日本語対応の情報も徐々に増えているため、英語が苦手でも安心。高齢者の体力に合わせてプランをカスタムしやすいことが、親子旅行でオーストラリアが選ばれている理由の一つです。

オーストラリアは「バリアフリーを前提に旅を楽しめる国」。
高齢者と一緒でもムリなく、むしろ“ゆっくり楽しむ旅”の魅力がより輝く場所です。
移動がラクになる!高齢者向けのバリアフリー交通手段ガイド

高齢者と一緒にオーストラリアを旅する上で、「移動手段の選び方」は旅の快適さを左右する最重要ポイントです。幸い、オーストラリアの主要都市では公共交通機関が非常に発達しており、車椅子対応や段差の少ない乗り場が整備されているため、移動のストレスが驚くほど少なく感じられます。ここでは、高齢の親との旅行で押さえておきたい“楽に移動するコツ”と、実際に使いやすい交通手段をまとめて紹介します。
空港では“アシストサービス”が大活躍|車椅子サポートは無料で利用可能
オーストラリアの空港では、チェックイン時に申し出るだけで車椅子サポートを無料で利用できます。搭乗口までの移動、手荷物の補助、優先搭乗など、一連の動きがスムーズになるため、高齢の親にとって大きな負担軽減になります。特にシドニー空港やメルボルン空港はスタッフの対応が丁寧で日本語案内も充実しているため、海外が初めてでも安心。事前に航空会社へ“アシスト希望”と伝えておくと、よりスムーズに利用できます。
市内移動はトラム・バス・電車が便利|段差が少なく乗降がラク
メルボルンのトラムやシドニーのライトレールは、低床車両が多く、車内も広めで高齢者にやさしい設計になっています。停留所の段差がほとんどないため、杖やシルバーカーを使う方でも乗降がとてもスムーズ。また、車内には優先席が多く、地域によっては“高齢者優先ゾーン”が表示されているところもあり、座席確保がしやすいのも魅力です。
バスも車椅子対応の車両が多く、ドライバーがスロープを出してくれるため、安心感のある移動ができます。
なるべく乗り換えを減らすルート選びが旅の疲れを軽減する
高齢者との旅行では「乗り換えを減らす」ことがとても重要です。たとえ距離が少し長くなっても、乗換え回数が少ないルートのほうが圧倒的にラク。Googleマップやオーストラリアの公共交通アプリ(NSW Transport, PTVなど)では、ルート検索で“ Low walking(徒歩距離が少ない)”“ fewer transfers(乗換え少なめ)”を選択でき、簡単に負担の少ない動線を作れます。
車椅子対応タクシーや配車アプリUber Assistも便利
オーストラリアでは、車椅子昇降機付きの「Wheelchair Accessible Taxi(WAT)」が都市部で多く走っています。事前予約も可能で、乗車位置を指定して迎えに来てもらえるため、歩行距離を最小限に抑えることができます。また、Uberには「Uber Assist」という高齢者や体の不自由な方に配慮したサービスがあり、ドライバーが乗り降りや荷物を丁寧にサポートしてくれる点が魅力です。移動が不安な場合、こうしたサービスを組み合わせることで旅の負担は劇的に軽くなります。
移動中はこまめな水分補給と休憩をセットにする
オーストラリアは湿度が低いため、歩くと気づかないうちに体力が奪われてしまうことがあります。移動の前後には必ず休憩を取り、水分補給をセットにすることで体調管理がしやすくなります。公共交通機関の近くにはベンチやカフェが多くあるため、こまめに“座る習慣”を取り入れることで、1日の疲労が全然違ってきます。

オーストラリアは公共交通も空港も“高齢者にやさしい仕様”になっているため、移動さえ工夫すれば驚くほど快適な旅が実現します。
負担が少ないホテル選びのポイント|高齢者向けバリアフリー設備チェック表

高齢者と一緒にオーストラリア旅行をする際、「どんなホテルに泊まるか」は旅の満足度を大きく左右します。
特に、高齢の親が“移動しやすい室内動線”や“段差の少なさ”を重視する場合、ホテル選びは慎重に行う必要があります。
幸いオーストラリアの主要都市にはバリアフリールームが豊富に用意されており、安心して滞在できる選択肢が多いのが特徴です。
ここでは、ホテル選びで絶対に確認しておきたいポイントを、具体的なチェック項目とともに解説していきます。
部屋の動線と“段差の少なさ”を最優先にチェックする
高齢者がもっともつまずきやすいのが「小さな段差」。オーストラリアのバリアフリールームは段差をほとんど排除して設計されており、スーツケースの移動もスムーズです。特に注意したいのが以下のポイントです。
- ベッド周辺のスペースが広い
- 入口からベッドまで段差なしで移動可能
- バスルームの入口がフラット仕様
- カーペットが厚すぎず、つまずきにくい
これらが揃っているかどうかで、毎日の過ごしやすさが大きく変わります。
シャワーは“ウォークイン式”が安心|椅子の有無も確認
オーストラリアでは、バリアフリールームに限らず“ウォークインシャワー”(段差なしのシャワー)が多く採用されています。
高齢者にとっては、浴槽をまたぐ動作がないだけで転倒リスクが大幅に減ります。可能なら、以下も確認しておくと安心です。
- シャワーチェア(椅子)がある
- 壁に手すりがついている
- 滑りにくい床素材が使われている
事前にホテルへ問い合わせると写真を送ってくれる施設も多く、不安があれば積極的に確認するのがおすすめです。
エレベーターの位置・スムーズさも重要な“体力セーブポイント”
意外と見落としがちなのが「エレベーターの位置」。
ロビーから客室までの距離が長いと、チェックインの段階で疲れてしまいます。
予約サイトでは分からない場合もあるため、以下をチェックしておくと安心です。
- エレベーターがロビー近くにあるか
- エレベーターの速度が遅すぎないか
- 各階での客室までの距離
- バリアフリールームの階数(高層階は負担が増えることも)
移動距離を短くするだけで、高齢者の体力消耗は大きく抑えられます。
病院・クリニックの近さも“隠れ重要ポイント”
万が一の体調不良に備えて、ホテル周辺の医療機関を把握しておくと安心です。とくにシドニー、メルボルン、ゴールドコーストなど主要都市は医療機関が密集しているエリアがあり、ホテル選びの際にもメリットとなります。Googleマップで「medical centre」「clinic」と検索すれば、滞在エリアの医療アクセスを簡単に把握できます。
都市別・高齢者と相性の良いおすすめエリア
高齢者と一緒の滞在で特に評価が高いのが以下のエリアです。
- シドニー:ダーリングハーバー周辺(平坦で移動しやすい)
- メルボルン:サウスバンク(トラム・レストランが豊富、歩道が広い)
- ゴールドコースト:サーファーズパラダイス中心部(海沿いの散歩道がフラットで安全)
どのエリアも動線がシンプルで、休憩しやすいカフェやベンチが多いのが特徴です。

ホテル選びは「段差の少なさ・部屋の動線・シャワー環境」の3つを抑えるだけで格段に快適になります。
高齢者も安心して楽しめる!オーストラリアのおすすめ観光地10選

オーストラリアには、高齢者でも無理なく楽しめる観光スポットが数多くあり、自然・街歩き・動物とのふれあいなど幅広い体験が可能です。
ここでは、高齢の親と旅行する方でも安心して訪れられる観光地を「歩く距離」「段差」「休憩しやすさ」などの視点から厳選し、難易度別に10か所紹介します。
坂が少ない場所や車椅子対応のスポットを中心にまとめているため、旅程にも組み込みやすく、初めての人でも安心して楽しめる内容になっています。
難易度★1(歩行距離と段差が少なく、高齢者向け)
① シドニー・オペラハウス(NSW)
世界遺産オペラハウスは、周辺がフラットで歩きやすいのが魅力。館内ツアーではエレベーターを利用でき、スタッフのサポートも丁寧。
ベンチも多く、休憩しながら観光しやすいスポットです。
② ダーリングハーバー周辺(NSW)
シドニー随一の“歩きやすさ”を誇るエリア。
海沿いの遊歩道は平坦で、カフェやレストランが多いため休憩スポットに困りません。
夜景も美しく、短時間の散歩だけでも楽しめます。
③ メルボルン・ロイヤルボタニックガーデン(VIC)
美しく整備された庭園は地面が滑らかで歩きやすく、日陰も多いので高齢者に非常に人気です。
園内の「ガーデン・エクスプローラーカー(乗り物)」に乗れば、歩かずに広大な庭を楽しめます。
難易度★2(坂は少ないが、少し歩くスポット)
④ メルボルン・サウスバンク散歩道(VIC)
川沿いの遊歩道が美しく、ベンチも多い人気散歩コース。
段差がほぼなく、カフェが点在しているため休みながらゆっくり散策できます。
夜のライトアップも見応え抜群。
⑤ ゴールドコースト・ビーチフロント散策(QLD)
サーファーズパラダイス周辺は海沿いの歩道が完全にフラット。
海風を感じながらのんびり散歩でき、歩く距離の調整もしやすい環境です。
⑥ ケアンズ・エスプラネード(QLD)
海沿いのボードウォークは完全バリアフリーで、高齢者にも圧倒的に人気。
無料プール「ラグーン」周辺には日陰や椅子が多く、休憩しながら自然を楽しめます。
難易度★3(長めの移動あり。ただし設備は良好で楽しみやすい)
⑦ キュランダ鉄道&スカイレール(QLD)
一部徒歩移動はありますが、スカイレールはゴンドラ乗車が中心で、座ったまま熱帯雨林の絶景を楽しめます。
駅にもベンチが多く、無理なく過ごせる人気ツアーです。
⑧ シーニックワールド(ブルーマウンテンズ/NSW)
世界的景勝地を“歩かずに楽しめる工夫”が揃った施設。
高速ケーブルカー・ロープウェイ・展望台が充実しており、体力に合わせて移動距離を調整できるのが魅力です。
⑨ ホバート・サラマンカマーケット(TAS)
土曜限定の大規模マーケット。
会場はフラットで歩きやすく、ベンチやカフェも多め。
人混みはありますが、見て歩くだけで楽しい雰囲気が魅力です。
⑩ ロットネスト島・クオッカ観察(WA)
坂は少なめで、島内バスを利用すれば歩行距離を大幅に減らせます。
フォトスポットも近く、高齢者でも無理なくクオッカと写真撮影できます。

高齢者とのオーストラリア旅行において大切なのは「歩く距離・休憩場所・地形の平坦さ」。
今回紹介した10スポットは、いずれもこれらの条件を満たしており、安心して旅に組み込める場所ばかりです。
高齢者との旅行を成功させるコツ|持ち物・食事・休憩・安全対策まとめ

高齢者と一緒にオーストラリア旅行をする際、もっとも大切なのは「無理のないペース」と「安心できる準備」です。
いくらバリアフリーが整っていても、気候や歩行距離、体調の変化によって負担が大きくなることがあります。
ここでは、高齢者と旅する家族が“これだけ押さえれば大丈夫”と安心できるよう、持ち物・食事・体調管理・安全対策を体系的にまとめました。
旅の事前準備としても、当日の実践チェックとしても役立つ内容です。
高齢者との旅行に必須の持ち物リスト|健康・移動の不安を減らすアイテム
オーストラリアの気候は乾燥しており、気温差も大きいため、持ち物次第で体調の安定度が大きく変わります。特に忘れがちな必須アイテムは以下のとおりです。
- 処方薬・常備薬(日本の医師の処方内容メモもあると安心)
- 保湿クリーム・リップ・日焼け止め
- 帽子・サングラス(紫外線対策は必須)
- ゆったり歩ける靴、防水スニーカー
- 健康保険証のコピー、海外保険の証書
- 水筒(こまめな水分補給対策)
- あると安心:杖・シルバーカー・携帯用折り畳み椅子
特に“歩きやすい靴”は旅の快適度を左右する最重要アイテム。普段履いている靴をそのまま持ってくるのがベストです。
食事は“量とタイミング”が大切|高齢者にやさしいオーストラリア料理の選び方
オーストラリアは多国籍料理が豊富で、高齢者向けのやさしいメニューもたくさんあります。消化に良いスープ、和食、魚料理、フレッシュサラダなど、身体に負担が少ない食事を選びやすいのが特長です。ポイントはこちら。
- 朝食は軽めにして、昼食でしっかりエネルギー補給
- 夜は胃に優しいメニューに調整
- 炭酸飲料より常温の水やお茶を選ぶ
- カフェが多いのでこまめに休憩しながら食事OK
レストランスタッフに「We prefer soft or light meal(やわらかい/軽めの食事を希望しています)」と伝えると、相談に乗ってくれることが多いです。
休憩は“30〜60分に1回”が理想|疲れない旅はリズムづくりが全て
高齢者は「疲れた」と口にしづらい傾向があるため、周囲が意識的に休憩を提案することが大切です。ベンチやカフェが多いオーストラリアは休憩環境が整っており、こまめに座るだけで体力の消耗が大幅に軽減されます。
特におすすめの休憩方法は、
- 観光地の入口・出口で必ず5分休む
- 食事前にカフェでひと息
- 移動の前後に水分補給タイム
- ホテルに早めに戻り、夕方はのんびり過ごす
旅の満足度は「どれだけ疲れをためないか」で大きく変わります。
安全対策は“気候・紫外線・水分不足”への注意が最重要
オーストラリアは紫外線が日本の3〜7倍と言われており、高齢者の皮膚・体力には大きな負担になりやすい環境です。対策としては以下が必須。
- 帽子・サングラス・日焼け止めで紫外線対策
- 水分は“喉が乾く前に”こまめに摂る
- 気温差が大きいので羽織ものを常に携帯
- 熱中症の初期症状(めまい、倦怠感)を見逃さない
- 無理な屋外観光は避け、屋内施設と組み合わせる
乾燥により脱水が進みやすいため、「水分補給の声かけ」は必ず行いましょう。
緊急連絡方法を事前共有しておくと安心感が圧倒的に上がる
思わぬ体調不良や転倒に備え、以下の情報は家族全員で共有しておくと安心です。
- 宿泊ホテルの住所と電話番号
- 最寄りの医療機関の場所
- 海外保険の緊急連絡先
- 使いやすい英語フレーズ(“medical help, hospital, pain”など)
現地の看護師が訪問してくれるサービス(Nurse-on-callなど)がある都市も多く、日本よりも「医療アクセスが良い」と感じるケースも多いです。

高齢者との旅行を成功させる秘訣は、持ち物・食事・休憩・安全対策の“4本柱”を守ること。
オーストラリアの環境と合わせて実践すれば、無理なく快適に旅を楽しめるはずです。
注意事項

高齢の親とのオーストラリア旅行は、バリアフリー環境に恵まれている分、安心して楽しめる場面が多い一方で、「事前準備」や「現地での体調管理」を丁寧に行うことで旅の満足度が大きく変わります。
特に、高齢者は“疲れを感じにくい”“無理を言わない”という傾向もあり、同じ行程でも若い人より体力を消耗しやすいことがあります。
だからこそ、家族側が“ちょっとした違和感”に気づいてあげることや、事前にトラブルを防ぐ工夫がとても大切。
以下では、高齢者とのオーストラリア旅行で特に注意しておきたい5つのポイントを詳しくまとめました。
① 気候と紫外線は予想以上に強い|熱中症・脱水に細心の注意を
オーストラリアはカラッとした気候が魅力ですが、その分「乾燥」と「紫外線の強さ」が想像以上です。高齢者は喉の渇きを感じにくいうえ、脱水症状が急に出ることもあるため注意が必要です。外出時は帽子・サングラス・日焼け止めを必ず使用し、歩くたびに水を飲む習慣をつけてください。また、屋外観光が続くと体温が徐々に上がり、気づかないうちに疲労が蓄積します。屋内施設を行程に挟んだり、水分補給タイミングを家族が声かけしたりするだけで、トラブルのリスクを大幅に下げられます。
② 階段・坂道・長距離移動は必ず事前に確認を
高齢者にとって、段差や坂道は転倒リスクの最も高いポイントです。オーストラリアの観光地はバリアフリー対応が進んでいますが、それでも自然公園や古い街並みなど、歩く距離が長い場所も存在します。必ず事前に「歩行距離」「地形」「休憩ポイント」をチェックし、無理のない順路を選ぶことが大切です。Googleマップの“徒歩距離”表示や、観光局サイトのアクセス情報がとても便利。高齢の親が“少し疲れた様子”を見せたら、すぐに休憩し、予定を柔軟に変更する姿勢を持つことが、旅を安全に楽しむ秘訣になります。
③ 食事は“量・固さ・スピード”のバランスを調整
オーストラリアは食事が美味しく魅力的ですが、料理のボリュームが大きめで固めの食材が多いのが特徴。高齢者にとっては、食べきれなかったり胃に負担がかかったりすることがあります。メニューを選ぶ際は、スープ・魚料理・煮込み料理など“消化に優しい料理”を組み込むと安心です。また、食事のペースがゆっくりになるため、早めの時間帯にレストランへ入ると余裕が生まれます。飲み物は冷たいドリンクよりも温かいお茶や常温の水が身体に優しく、食後にカフェで休憩をはさむと疲労感も和らぎます。
④ 長時間移動・長時間の立ち時間は避ける
観光地によっては、移動に1〜2時間かかる場所や、チケット購入の列に並ぶ施設もあります。高齢者の身体は“立ち続けることに弱い”ため、乗り換えの多いルートや長時間立ちっぱなしの行程は極力避けるのが賢明です。Uberや配車タクシーを活用して移動距離を短くしたり、事前にチケットをオンライン購入することで待ち時間をなくしたりと工夫することで、体力を大きく節約できます。人気観光地は朝イチの来場がもっとも空いていて負担が少ないため、観光は午前中に集中させ、午後は休憩多めのゆったりプランにすると安心です。
⑤ 体調の小さな“変化”を見逃さず、早めの対処を
高齢者は「疲れた」「痛い」と言いにくいことが多く、体調不良のサインが表に出にくい傾向があります。家族は、顔色の変化、歩幅が小さくなる、会話量が減る、水を飲む回数が減るなど、小さな変化を敏感にキャッチすることが大切です。少しでも違和感を感じたら、すぐに休憩を取り、無理に観光を続けない判断が必要です。オーストラリアは医療体制が整っており、クリニックや薬局が都市部に多いので、早めに相談すれば大きなトラブルを防げます。「今日はここまでにしよう」と柔軟に予定を切り上げる勇気も、安全に旅を楽しむ大事なスキルです。
まとめ
オーストラリアは、空港・交通機関・観光地・ホテルまでバリアフリー環境が整っており、高齢者と一緒の旅行でも安心して楽しめる国です。本記事では、高齢者と旅する際に大切な5つのポイントを体系的にまとめました。まず、オーストラリアのバリアフリー環境を理解しつつ、移動はアシストサービスや乗り換えの少ないルートを選ぶことで、体力の負担を大幅に軽減できます。また、ホテルは段差の少なさやシャワーの形状、エレベーターの位置が快適度を左右します。観光地も、歩く距離や休憩ポイントの多い場所を中心に選べば、高齢の親でもストレスなく楽しめるスポットが多数あります。
さらに、持ち物や食事、気候への注意、休憩の取り方など、家族側のサポートが旅の快適度に直結します。軽めの食事、こまめな水分補給、紫外線対策、適度なペース配分などを意識することで、体調を崩しにくくなります。
オーストラリアは高齢者にやさしい国だからこそ、事前にポイントを押さえれば“安心で快適な親子旅行”が実現できます。
おわりに
高齢の親と海外旅行をするというのは、楽しみな気持ちと同時に「本当に大丈夫かな…?」という不安もつきものですよね。ですが、オーストラリアは世界でも有数のバリアフリー先進国で、移動・食事・観光・宿泊のどれを取っても、高齢者が快適に過ごせる環境が整っています。事前にポイントを押さえておけば、無理なく安心して楽しめる“人生の思い出になる旅”がつくれます。
本記事では、高齢者との旅行を成功させるためのバリアフリープランや観光地、注意事項を具体的にまとめました。旅行は「内容よりペース」が大切であり、高齢者の体調や歩行距離に合わせたゆったりプランこそが、親子双方にとって心地よい旅になります。
あなたとご家族のオーストラリア旅行が、安全で、穏やかで、そして何より笑顔の時間に満ちたものになりますように。










